法悦のライブ準備方

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      12月22日刻々と迫る処女ライブ。演奏はしないけど、地下空間のすべては私の責任とい
    うことでここんとこ準備に没頭しまくり。何事によらず初めてというのは先が読めない不安
    と緊張感が横溢するもんです。それは老境に差し掛かった店主でも同じことだけど、それを
    楽しめることもこの歳ならではのことでして。
     しかも、今回は大阪からN氏が演奏参加されることになり、緊張は倍加し力の入れ具合も
    並々ならぬものがね、あるワケです。玉野井徹とN氏の共演は一度しか聴いた事はないけど、
    それが素晴らしくっていずれは東京にお呼びしたいと思っていたことが、急に実現すること
    になっちゃって。とってもとってもうれしいけど喜んでばかりはいられない。演奏に負けな
    いような空間を作らなくちゃ恥ずかしい。
     狭いからごく少人数しか入れないけど、狭いからこそマイクなしの完全アコースティック
    演奏が目の前で鑑賞出来るという利点がある。一人でも充分なのにギターのデュエットが
    楽しめるとあっちゃ、迎え入れるこちらだってそれに見合った内容にせねばFACTIOの名が
    スタルってもんです。
     ベンチは完成し、床暖房も整い、数日前からいよいよ最後のテーブルを作り始めました。
    床暖房は徹夜を想定して仮眠出来るようにしたかったから。サイズ違いを2枚敷いたので足
    元ホカホカ、どこでも寝れます。演奏を楽しみ、お食事を楽しみ、持ち込みのお酒を楽し
    み・・・・・・・となると終電時間なんかあっという間に訪れる。そんな帰れない方々は雑
    魚寝で泊まっていただきましょうって案配。これだけ用意すれば満足していただけるだろう
    て。
     テーブルの板は二転三転した後、保管してあったブナ材の積層板を思い出して一気に進
    展。それがコレ
     一見ふつうのベニヤ板じゃん? さにあらず、この板は表面も中身もすべてブナ材でね。
    昔むかし学校の材料倉庫にあったものを譲っていただいたものをズ〜ッと持っていたの。途
    中、地下への階段にも使ったりしたけど。作り直してからは、何かに使おうと大切保存。あ
    る時、何かでこの材料を使いたいと思って2〜3の材木屋さんに聞いたら、そんな材料聞い
    た事がないって言われちまいました。どうやら、この板は入手が極めて困難なようです。
    ようやく終焉の場所が決まって板も喜んどりましょうて。
     巾が足りないから左右に継ぎ足さなくてはならない。で、こんなふうに端面を加工して
     間にビスケットと呼ばれる木片を差し込み
     このようにして金具で締め上げます。もちろん、ボンド参加は言うまでもない
     テーブル上は大体こんなイメージなんだけど問題は白皿と木皿の据え付け。テーブルが狭
    いから何かの拍子で皿が落ちたりしないような工夫が必要ですもんね。どちらの皿もテーブ
    ル面に凹みをつけて落とし込みます。
     白皿はこのようになる。凹みの直径と深さは試しためしでないとちょうど良い寸法が出て
    来ない。5回ほど試して、ズレない深さが実現できましたわい。皿の底面は曲面なので深さ
    が微妙なんです。完璧とは言えないかもしれないけど、まずまずこんなもんでしょう。
     左右2箇所の凹み。ということでこれは二人用。左の凹みに色がついてるけどオイルを試
    してみたから。塗装しようかとも思ったんだけど、ブナ材であることを自慢したくってオイ
    ル仕上げに。
     ハイ! これが凹みのほぼ最終形。どーです、表面と凹みの底の木目が同じでしょ。表面
    だけに天然の木をスライスした薄板(突き板)を張ってあり芯になる中身は別材が普通。で
    もこれは違うダンゼン違いまっせ。そう考えると、こうして掘るというのはこの材料の最良
    の使い方ってことになります。普通の突き板ベニヤでは逆立ちしたって出来ない加工ですか
    ら。素晴らしいライブにはすばらしい材料で、なんとスンバラシイ考え方ではあ〜りません
    か! ウケに入ってるのは私だけでしょうか。いや、そうではあるまい。でも、そうかな。
    いやそうではないだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
     観る人が見たら「この板はなに?」と聞くでしょうな。興味がない人にとっちゃなんでも
    ない板だけど。そうはゆかないイカのキンタ◯。
     そしてもう一方の木皿です。テーブルが小さいから木皿は前に出っ張ってしまいます。
    なんにもしないとすぐに引っ掛けて床に落ちる。それを防がにゃなりませぬ。出来るだけ取
    り皿に近づけたい、でも取り皿とぶつかっちゃいけない。木皿の厚さは1センチ、テーブル
    に6ミリ埋め込みますから差し引き4ミリ上に出る。取り皿の下面との接触を避けつつ、
     ほぼギリギリの位置が決まりました。無理すりゃもっと皿に近づけるけど、近づいたとし
    てもあと数ミリですからね。さほどの違いがあるわけでなし。
     そして凹状彫り込みも完了ゥ〜。なんせ、この希少板はこれっきりなので、加工には慎重
    になります。加工し始めてから間違いに気が付きたくはない。けど、いつかは加工を始めな
    くては間に合わない。型を作り一服、試し加工で一服、さらに一服してから本番加工。とに
    かくタバコとコーヒーが欠かせません。
     それにしてもこれだけの広さの凹みを掘るなんてことは初体験ですから。やり始めてこれ
    ではマズイことに気が付き申した。トリマーという電動機械で掘るんだけど掘り進めるうち
    に機械が乗る場所がなくなっちまう。海辺の砂で高台を作って乗るのはよかれども、波に洗
    われて足元の砂が削り取られ、立ってる場所がなくなってくる。そんな感じです。やったこ
    とない人にはワカランだろうけど。つまりちょっとだけ苦労したことを言いたいワケだ。
     問題の木皿落下防止案は「蟻」、ほれこの通り
     ちょっと見じゃわからないかしら。テーブルと木皿の組み合わせ部分が斜めになる。これ
    が「蟻」といわれる組み合わせ。引き出すと前方に出るけど、このままの状態なら絶対に木
    皿とテーブルは離れません。間口が広くて奥行きが狭いので引き出すのがちょいとムズカシ
    イ。間に木鑞(ロウ)を塗りますればまあまあ滑りは良くなって差し支えない程度になりや
    した。
     
     モチのロン、両方もけっこうな薄さだから板が反ったり曲がったりしないことが条件で
    すゥ。一方はベニヤだから多分問題ない、もう片方もめっぽう曲がる事のない材料であるこ
    とは実証済みですから。まずもって大丈夫でしょう。
     そして第一作が出来上がり〜。グラス&コーヒーカップは結局凹みではなくふつうにテー
    ブルに置く事に。一作が出来ればあとは同じことの繰り返しですから考える事も少なく不安
    もない。時間はかかるけど仕事的には終わったも同然。なので、一服しながら記事を書き始
    めた次第。
     テーブル面が出来上がり、後は脚部分。これは、ドイツの金具を使うんだけど今日本に向
    かっている最中で来週に届きます。あとはベンチに敷くマットも注文したし、カバー用の布
    も買ったし。だんだん残っている仕事がなくなり、だんだん完成に近づきます。そりゃ、当
    たり前!
     この地下室が脱皮に脱皮を重ねた結果このような使い方をするなんて考えてもしなかっ
    た。無数の積み重ねが収斂されて今の空間になった。改めて人との出会いに感謝、環境に感
    謝、とりまくすべてに感謝のひとときです。
    柄にもなく感謝の涙にくれる・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

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