村越クン!

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      私の家の真ん前の家からキャスター付き収納家具を頼まれてしまいました。あぁ、そうい
    えばこういうモノ作ってもらえるかな? たまたま前の道路で顔を合わせたときに、そうい
    われてしまって。その彼、店主よりも2才ほど年上なんだけど「村越クン」て呼ぶんだ。い
    つも講師をしている学校では先生だしそれ以外なら村越サンが普通だから「クン」はとって
    も新鮮。まるで小学生に戻ったような気がして懐かしいような不思議な気持ちがウレシイわ
    け。だから、とっさに出来ますよ、上手じゃないけど、と答えてしまって、じゃお願いしま
    すということになったの。
     何度も云うけど、私は決して作るのは上手ではありません。素人に毛のはえた程度でしょ
    う。それを充分に自覚していますからいつも「上手じゃないけど」という言葉が出てしまい
    ます。頼まれ仕事は、なんらか相手はイメージを持っている。これが、緊張の素になるわけ
    で、自分オリジナル作品とは段違いなんだ。年齢とともにこの緊張がいたく苦痛になり始め
    て、だから正直なところあまり気乗りはしないのです。だけど「村越クン」と呼ばれてはや
    らないわけにはゆきません。私は、そういう人間ですから。
     下手だからプロとは違います。先日、この収納のベニヤを張るために知り合いのサンダン
    スさんのプレス機をお借りしたんだけど、そのときにボンド付けの手技を見せられて、こ
    りゃぜんぜん違うわいと思ったんだ。早さ、手際のよさ、ボンドの量、ローラーの後処理す
    べてにわたって圧倒的な違いを思い知ったのです。ボンドを付けるだけでこの違いなんだか
    ら工具や機械、加工のノウハウなんかもっともっと違うんだろう。まったく舌をまく素晴ら
    しさ。でも、そんな私でも作らなければならない状況になったので、プロに伍しての仕事と
    はどんなもんだろうって考えざるを得ないっちゅうもんですばい。ま、技術じゃ太刀打ちで
    きないことはわかってる。だったら何で補うのか?
     図面を描き、材料を計算して見積り金額を出して、模型を作る。ここまでは家具を作るん
    なら当たり前のことだから誰でもおんなじだろう。
     実物模型を作り、相手の家に持ち運んで不具合がないかどうか確認してもらう。以前のY
    テーブルに比べたらこんな大きさは簡単なもんです。技術もないしノウハウもないことを補
    うためにはどうするか。結局、注文を決定するまでにお客さんの不安を解消し、不具合やイ
    メージの違いをなくすことぐらいしか知恵は出ないのです。
     お客さんのテーブル下に収まるから、高さ・幅・奥行きを確認したいのが人情というも
    の。それと、キャスターの種類をどうしようかも話し合わなければならない。前後だけ動く
    のか360度動くタイプなのか。相手は専門知識がないから、実物を見ていただくのが一番で
    すからね。で、奥行きを20ミリ短くすることになったの。で、そのことを今思い出したの。
    20ミリ小さくしないで作ってしまったぜ!!マジで、どうしよう・・・・・・。箱は出来
    ちゃったし・・・・・・・・・。なんてこったい、ブログを書いてる途中で思い出すなん
    て。そりゃ、思い出さないよりはいいことは確かなんだけど・・・・・・・・。こりゃ、エ
    イヤっと箱を切断、大外科手術にチャレンジするっきゃないかぁ。ああ〜〜〜〜〜物忘れの
    老人力が悩ましい。
     こんな感じで箱は出来つつある。これは、裏面。書きながら頭の中は手術方法で迷走して
    るんだ。書いてる場合じゃない、と思うけどボンドが乾くまで手が出せない。切ないのう。
     ブログを書く時はおおよそこんな感じで、と、全体をイメージし落としどころを決めてか
    らにするんだけど。今回は途中でアクシデントが発生したんでイメージは霧散してしまい、
    ここからどう書き進めるか・・・・・心は千々に乱れて、思い出せない。困ったなぁ。気を
    取り直せないなぁ。まずは、一服。冷静になって考えようょ、村越クン。
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・店を閉めて、新聞を取りに行き、夕飯の支度にとりかか
    る。今夜はカレーですばい。ご飯はないからお米を水に浸して、食器を洗い、友人からの
    メールに返事を出して、気分を取り戻すのも大変なんですから。ミスの実況中継で失礼した
    けど、落ち込んでいるわけじゃない。どんな仕事だって失敗はつきものだし、今までの経験
    でミスへの対応力はそこそこあるから。それに、己の老人力アップを日に日に実感してる
    し。ただ、ちょっと気が動転したってこと。対応策はひとつしかないし、それもメドがつい
    てるから大丈夫。多分?
     そうこうしていたら思い出しました。今記事の落としどころが。店主は2年間だけ会社勤務
    してたんだけど、そこはテントや看板を考えて作るとこ。家具とはかなり離れている業種だ
    けど多くの事を学ばしていただきました。当時は、ラブホテル全盛って感じでいろんな現場
    に行ったけど、五反田にあるエール・フランスという6階建てのラブホの責任者になったの
    です。学校じゃ木工しかやらなかったけど、ここでは金属加工がメインですから数えきれな
    いほどの失敗がありました。うまく行った現場はいまだに思い出せない。で、そのエールフ
    ランスなんだけど、各階2室あるから全部で12室。その全部屋の金属加工すべてを私の会社
    が請け負ったの。一番驚いたのはステンレスの浴槽。底が四角に抜けている穴があいてるん
    です。ここにガラスをはめ込み、さらに下に鏡を斜めに取り付けて、女性の入浴を男性が隣
    室のベッドから目の保養って案配。SMの部屋もあったりで面白かったんだけどね。
     ステンの浴槽なんて作れるの? と思っていたら社長が手配してスンナリ出来上がってき
    たのにはビックリしました。既製品に穴を開けたわけじゃなく、特注ですからね。何も知ら
    ない私は驚いたわけです。この浴槽も失敗したけど、強気で乗り切って、各部屋も失敗続出
    したけど、なんとかなった。何もしらないし、誰も教えてくれない、まことに頼りない責任
    者だけど、今考えると失敗したってしょうがないじゃんって思える。学びながらどんどん仕
    事をしてゆかなくちゃならない、あらゆることが後になって気が付く始末だから。現に社長
    だって失敗を叱責することはなかったしね。そりゃ誰だってわかるようなひどい失敗には
    怒ったことがあったけど。しかたない失敗には怒ることはなかった。そういう点じゃ良い会
    社でした。
     なんとかなったけど、なんともならないのが納期。間に合わないんですよ。どう考えて
    も。そこで、社長は私に指示したんです。悪いけど、村越君、これからは現場の前にトラッ
    クを停めてそこに泊まり込んでくれ、と。ホテルのオープンに間に合わないことはどうしよ
    うもないけど、誠意を見せようって戦法を決断したのです。どっちにしろ間に合わないペナ
    ルティ(お金です)は発生するんだけど、それを少しでも減額するべく情に訴えようとする
    のです。一生懸命にやっている姿を見せればクライアントだっていささかの同情の心を持つ
    んじゃないか。ペナルティを払うことは覚悟してるけど、それをただ黙って待つんじゃなく
    何か行動を起こして打開策を講じることに私は感心したんです。
     そうか、一生懸命真面目にやれば少々のミスには目をつぶってもらえるかもしれないの
    ね。下手でも失敗しても最後のさいごは一生懸命というドンクサイことに行き着くんだ。そ
    の心さえ忘れなければ世の中なんとかなるもんだ。そのことを教えられた貴重な体験だった
    んです。一生懸命やったってなんともならないことはあるだろうけど、だからといって最
    初っからイイカゲンな気持ちでやっていたんじゃ人の心の奥底にある情を引っ張りだすこと
    はできません。それが仕事の根本原理だと思うのです。こんなヒネた店主だって、心の中
    じゃけっこう誠心誠意なんですぞ。おちゃらけてエロ連発していたって心の井戸の底には澄
    み切った清水があるんです。それも蒸発したり地下にしみ込んだりして残りわずか。味見す
    るんなら今のうちだよ。美味しいよ、きっと。だから今回の失敗も、不真面目な仕事の結果
    というわけではないし、一生懸命な結果なんだからそれはしかたない。打開策もあるからさ
    ほど落ち込むってわけではないのです。
     それが私の心の核心だから、人を利用する人にはホント心の底から嫌気が差してしまいま
    す。たとえ、それがその人自身気が付かないうちでのことだとしても。人を利用することと
    誠心誠意とは真逆の心ですから。私は人を利用することが一番嫌いなことだから、身近には
    居ないでほしいと思っちゃいるけど、仕事の付き合いもあってなかなかそうもゆかず、実に
    不快で顔を合わせるのもイヤ。愛想笑いも引きつるんだ。世の中ままならないもんです。人
    を利用するテクニックもレベルがあり高度であれば気が付くのが遅くなって、気が付いた時
    のがっかり度や落胆度(同じやん)や自分の鈍さや愚かさなどがいっぺんにドサッと心に落
    ちて来るから立ち直るのに時間がかかります。人を利用することに比べたらエロ味充満とか
    下ネタ連発とか顔かたちがどうこうなんてホントに些細なことです。つくづく、マジにそう
    思うんです。そうじゃないっすか?
    いろいろあったけど、なんとか・・・・・・・・・・の、店主でした。

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