箴言 26-11

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     NHK-BS土曜日放映の「刑事モース」は、数少ない心待ちにしている番組だ。

     

     ちょっと前には刑事フォイルがあったけど、もう終わっちゃうの? と、

    終了してしまった。第二次世界大戦中のイギリス、戦場では死人なんか日常

    茶飯事な異常事態ではあるが、銃後を守る一般市民の生活の中でも事件は

    起きる。殺人事件を解決すべくフォイルは知恵を絞る。皮肉たっぷりな

    対比はいかにもイギリスらしいと感心しながら観ていたんだ。終了して、

    残念な気持ちなアタイ、あるとき刑事モースが始まる事を知って、フォイルの

    後継番組なら悪かろうはずはないだろ、早速録画、そして観たワケ。

     

     皆様ご存知ホームズ生みの親コナン・ドイルのイギリスだ。ファーブル

    昆虫記の流れを汲むフランスは動物ドキュメンタリー映画で名作を生み出し、

    ボリショイバレエの流れを汲むロシアはシンクロで他を寄せ付けない美しさを

    誇り、衰えつつあるとはいえアメリカはミュージカル映画の伝統を脈々と受け

    継いでいる。まさに本家の名に恥じることはない。

     

     で、刑事モースだ。時代は1960年代、フォイルからおよそ20年後の時代

    設定だ。巻頭いくつかのカットが目まぐるしく切り替わる。いずれも事件に

    関係したシーンなんだけど、早さと多さでアタイのアタマが追いつかないんだ。

    なんてこったい、これしきのことで、と思うけど、どの顔も同じに見えるし

    名前も覚えてられません。ま、物語が進むにつれだんだんわかってくるの

    ですがね。ふと、思い出されるのは「私だけが知っている」。こんな古い

    番組はもう誰も知らないんだろうな。1957年から63年の間、NHKだ。

    前半ドラマ、後半真相解説の二部構成で「結論を急ごう」の決めゼリフの後、

    一気に事件の真相が明らかになるもんだったけど、イイ番組だったなァ。

     

     話が逸れました。モースが関わる複雑な事件を理解するには日本語訳が

    よろしい。んでもって、すべてわかった上で字幕で観る。すでに事件の詳細

    犯人はわかっている。残るは手掛かりとなるセリフや証拠や人々の行動など

    の細かい部分を観直して理解を深めるとともに余韻に浸るわけ。まったく

    グリコみたいで、二度味わえるステキな体験。焦らずじっくりと探偵ものを

    楽しめる。時には一時停止しちゃったりして、大道具小道具をなめるように

    堪能できるんだから応えられませんやね。

     

     そんなとき出て来たのが「箴言26-11」というセリフ。しんげんってのは

    箴言のことなんだろ。うろ覚えだけど。早速、調べたら、箴言26章の11節、

    「犬が自分の吐いた物に帰ってくるように、愚かな者は自分の愚かさを

    くり返す」ってことを知った。ふーん、そういうことなのね。腑に落ちて

    すっきり。この回の物語は殺人事件が表、役人の賄賂が裏という二通りの

    筋立てで、殺人と賄賂が同一人物として捜査は進むけど、違う人物の仕業で

    一筋縄ではゆかないんだわさ。

     

     また登場する人物(特に女優)が魅力的でうっとり。ヒッチコック復活

    を印象づけた「フレンジー」で殺されるバーバラ・リー・ハント嬢にひけを

    とらない決して派手じゃないけどきっとベッドの上じゃエロ味を発揮する

    だろう、な女性陣にも賛意を表さねばならないだろう。そんな魅力的な

    方々がここぞという時にタバコを吸う仕草も素晴らしい。マルサの女の

    宮本信子に見せてやりたいもんだ。タバコっていうのはこういうふうに

    たしなむもんだ! とね。

     

     また音楽や自動車やさまざまな小道具類も溜飲を下げること度々。

    すべてにおいて深い知識と含蓄が伺えてまことにけっこう。けっこう

    だらけで、一時停止せざるを得ない。まったくもって垂直の大騒ぎなんだ。

    ベントレー、ジャガー、ときにロールスの旧車(当時は新車)、ライター

    やシガレットケース、汽車の窓、洋服は言うに及ばず、それらが画面に

    登場するたんびに一時停止、ためつすがめつ堪能したのちにおもむろに

    物語に入り込む。近時、これだけ楽しめる番組はコレしかないと言って

    おこう。なんちゃって。

     

    早くこいこい土曜日・・・・・・・・・・・な、店主でした。

     


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