ゴッドファーザー
いつだったか、双葉十三郎著「ぼくの採点表3」を読んだんだ。ふと
気になった「ゴッドファーザー」、双葉氏の評価を知りたくてね。私は
いい映画だと思ってるけどさ。星印の評価を点数に直すと70点で「見ても
いい」レベル。ちなみに最高位が80点以上で「ダンゼンよろし」、75点が
「上出来の部類」、65点は「見てもいいが少し落ちる」、60点「平凡な
出来ばえ」、55点「水準以下だが多少の興味」、50点以下「篤志家は
どうぞ」となっている。
でね、講評文の最後に
「コッポラ監督は殺傷場面を強調せずにこのような<家庭の事情>を
じっくり描き、大作品らしい貫禄をつけているが、ぼくはマリオ・
プーゾの面白い原作を先に読んでしまったせいか、なんてこともなかった」
と書いてあるじゃんか
あれほど当たった映画だし、何度も見ているからさ、すでに読んでると
思うけど、すっかり忘れてる。そう仰るなら原作とやらを読んでみようと
図書館で借りてあっという間に読了。文庫上下巻。
なるほどね、確かに原作と比べたらかなりな薄味だ。文字と映像という
媒体の違いもある、時間的な制約もあるから仕方ないことは理解できる。
て、なんて偉そうなんだ。原作を読みつつAmazonプライムで映画を見る、
交互にこれを行えば違いははっきりわかる、けっこう面白いんだコレが。
映画に出てこない印象的な部分、息子を殺されたゴッドファーザーが
停戦会議を提案することになったでしょ。そこで仲介人を誰にするか?
原作ではボッキッキオ一族が請け負うんだ。彼らはシシリーのマフィア
の中でもとりわけどう猛で有名だったけど、アメリカでは平和を保つ
役割を果たすようになった。そのワケはて〜と
1 血縁によって強固に結びついた組織
2 彼らの家族間の忠誠は、とくに厳しいものであった
3 愚直の気質、あるいは単に原始的であるのかもしれない
4 売春、賭博、麻薬、詐欺といった洗練された組織作りは苦手
5 彼らの価値ある資質は、名誉を重んじる心とどう猛さという2点
6 決して嘘をつかず、裏切りを許さず、策謀や騙しとは無縁
7 受けた侮辱は忘れず、どんな犠牲を払ってでも復讐する
そんな彼らの仲裁方法は、
1 敵対する同士が会うとき、ボッキッキオの誰かが身代わりとなって
人質となる
2 もし、相手に殺された場合、身代わりの人質は殺される
3 そうなった場合、一族はどんな刑罰も恐れずに命がけで復讐する
4 復讐を止める術はない
5 つまりボッキッキオの人質は最上の保証物だったわけである
なるほどね〜、マフィアの中でもいろんな職種があるもんだ。
自分たちの長所、弱点を生かすことに知恵を絞り、厳しい生存競争の
中で生き抜く位置を占める。なるほどね〜。なんだかワニの歯を
掃除する小鳥みたいだな。適者生存だったっけ、こういうの。
こんな文章読む方いるのかいな・・・・・な、店主でした。
- 2019.08.10 Saturday
- -
- 15:37
- comments(1)
- trackbacks(0)
- by factio