ごっこ遊び

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      前回の記事の途中で、キャスター付き収納の奥行きを2センチ小さくしなければならない
    ことを忘失したことが発覚。すでに組み上がっている箱を輪切り(四角だけど)切断せねば
    ならない。私の工房で切ろうと思ったけど、待てよ、デカイから揺れるな、学校の工房の工
    房に甘えちゃおう、ってことでアシスタントのI君の事前承諾をとり、行って切ったのが、お
    とついのこと。
     
     ご覧の通り、学校の昇降盤は大きいので箱を載せたってビクともしない。私の工房では機
    械が小さいので切断中に揺れるだろう、それが恐い、万一切り口に段差が出来たりしたら修
    正の腕はないから。できるだけ直角に箱は作ったけど、微妙な角度違いはあるに決まって
    る。それをよっこいしょと位置を変えながら切ると必ずどこかに多少の段差は発生する。ほ
    んのちょっとならカンナで修正できるけど1ミリ以上の違いとなると、かなり自信はない。な
    んせトウシロですから。
     おかげで、まあまあうまくいった。許容範囲の段差です。帰りにシトロエンの工場に寄り
    書類を渡そうと思ったんだけど昼休みでだ〜れもいないんだ。ま、いいか、と車に乗り込も
    うとしたときにスガツネのカタログを思い出す。こりゃマズイでっせ。この収納に使うキャ
    スターはスガツネ工業の製品で、三冊のカタログのキャスターの部分だけが見当たらず、し
    かもカタログが古いので新しいのをもらわなくてはならないと思って家を出たけど、忘れて
    いる。もらえるのはショールーム、学校から近いので寄ればよかったんだけど、我が身はす
    でに家に近づいているから、引き返すのはしゃくにさわる。でも、注文しないと遅れてしま
    う。だから、今日もらわないとマズイのですよ。
     やむなく引き返し、厚い三冊のカタログを二部づつもらって、一部は学校に寄付するため
    に再度学校に行くと、知人がいて(輪切りのときもいたんだけど)ちょうど話しもあったか
    ら(帰路の車中で話しがあったことを思い出したんだけど)隣りの喫茶店で話し込む。着席
    と同時にタバコを忘れたか?と思ったら、すでにテーブル上にあるんだ。それを見る知人は
    「大丈夫かいな?」というアリアリの表情。すぐにタバコを出しておいて、出しておいたこ
    もすぐに忘れる。老人力発揮の現場を見られて恥ずかしいようなきまりが悪いような。かな
    り話し込んで、別れて帰る車中で話をするんなら散歩しながらお花見しながらのほうがヨ
    カッタなぁ〜と思い付くもすでに遅し。学校の近くには桜の名所がいっぱいありますから
    ね。この時節、なにも喫茶店なんかで話さなくても、と思うものの後の祭りってやつです
    よ。ああ、絶好の機会を逃してしまった。桜満開の今だけど花見はしてない。ごめんねA
    さん。カンベンな。
     なんだか、ありとあらゆること瞬時に忘却の彼方に飛び過ぎて行く。どんどん忘れて行き
    それをカバーするためにあたふたしている。恐いっていうより喜劇ですよ、これは。そのう
    ち、忘れることが行動の前に来てしまい一歩も動けないなんてことになるんじゃないか。こ
    れじゃ、まるでガマガエルじゃないか。
     そんな店主でもここ数日は収納作りに精を出している。朝は8:00に起き出してパン朝食を
    食べて地下にこもり作業にとりかかる。
     箱本体は出来あがり、そこにこのような引き出し用の金具が取り付けられるという案配。
    この金具は4段
     引き出しの箱加工も終わり
     ちょっと組んでみる。ちょっとキツかったか? と思わないでもないけど、とりあえずい
    いんじゃないか
     こんなふうに一見まじめに仕事してるんだけど、今朝シャワーを浴びてるときにふと思っ
    たんだ。こりゃ「ごっこ」だな。今回は「職人ごっこ」だな、ってね。「ごっこ」を調べて
    みると『或る物事のまねをする遊戯にいう』とある。例として鬼ごっこや電車ごっこが紹介
    されてた。朝も早よから職人のまねっこですかい。でも、ごっこは遊びですから長続きはし
    ないもんです。だから職人ごっこもず〜っとというわけにはゆきません。今で言うならさし
    ずめ「プレイ」ですかね。職人プレイ。なんか怪しい感じがいい。それに気が付くと今まで
    の私の人生ぜ〜んぶが「ごっこ」だなと腑に落ちたワケ。先生ごっこ(これも相当怪しいけ
    ど)、結婚ごっこに親子ごっこ、仕事ならデザインごっこかい。こりゃいいや。当たって
    る。それもかなりのズバリ。音楽好きだから、その場合は音楽ごっこかいな。オーディオ
    ごっこに老人ごっこ。なんにでも当てはまり私の気持ちと一致して気持ちいい。
     ナルホドね。私はごっこフェチであったわけだ。そんなら誰にも負けませんよ。ごっこの
    プロと自慢出来る。人生遊びじゃい! それの何が悪い!! ♬ちっちゃなときから ちっ
    ちゃくて〜〜〜〜〜、今もごっこ三昧で時を過ごす。そう思えば気が楽、なかなかの発見と
    自画自賛。友達ごっこに恋人ごっこ。遊びだからといいかげんにすることはない、マジメ
    にごっこするんだい! 相手の心を最大限に思いやり、最高級の気遣いに包まれた完璧な
    ごっこには自信満々。こんなこと楽しめる相手には至福のひとときを差し上げましょう。ほ
    んのちょっぴりの不快不満も与えることはないっす。こちとらごっこのプロですからね。完
    全無欠なごっこ遊び。楽しすぎ面白すぎてデイトが終わらないことを願う二人。これぞ垂直
    の大騒ぎの真骨頂。なんか調子に乗ってるな。でも、そう考えると神様のごっことも言える
    かも。カッコイイじゃないっすか。私も神ならあなたも神、同じ神なら遊ばにゃ損損。♬
    ごっこしましょう ごっこしてぇ〜〜〜〜、ってね。
     もしも、いつか私に恋が芽生えたとしたら、私は銀座松屋一階にある竹の杖を買いましょ
    う。その杖をついて歩きながら脇には女性が支えながら歩くことでしょう。脚は悪くないけ
    ど杖をつく。これならだれも不審な目で見ることはないし、ごっこを楽しむ両人もいたって
    満足なひとときを過ごせるでしょう。いいな〜、これ。やってみたいな〜、こんなこと。
    昔、左卜伝が脚も悪くもないのに松葉杖ついて撮影所に来たことがあったけど、私もついに
    それができるようになったのか、と感涙にむせび泣く。♬あ〜りが〜あたや ありがたや〜
    さてと、職人ごっこに戻ろうかい・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

    村越クン!

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        私の家の真ん前の家からキャスター付き収納家具を頼まれてしまいました。あぁ、そうい
      えばこういうモノ作ってもらえるかな? たまたま前の道路で顔を合わせたときに、そうい
      われてしまって。その彼、店主よりも2才ほど年上なんだけど「村越クン」て呼ぶんだ。い
      つも講師をしている学校では先生だしそれ以外なら村越サンが普通だから「クン」はとって
      も新鮮。まるで小学生に戻ったような気がして懐かしいような不思議な気持ちがウレシイわ
      け。だから、とっさに出来ますよ、上手じゃないけど、と答えてしまって、じゃお願いしま
      すということになったの。
       何度も云うけど、私は決して作るのは上手ではありません。素人に毛のはえた程度でしょ
      う。それを充分に自覚していますからいつも「上手じゃないけど」という言葉が出てしまい
      ます。頼まれ仕事は、なんらか相手はイメージを持っている。これが、緊張の素になるわけ
      で、自分オリジナル作品とは段違いなんだ。年齢とともにこの緊張がいたく苦痛になり始め
      て、だから正直なところあまり気乗りはしないのです。だけど「村越クン」と呼ばれてはや
      らないわけにはゆきません。私は、そういう人間ですから。
       下手だからプロとは違います。先日、この収納のベニヤを張るために知り合いのサンダン
      スさんのプレス機をお借りしたんだけど、そのときにボンド付けの手技を見せられて、こ
      りゃぜんぜん違うわいと思ったんだ。早さ、手際のよさ、ボンドの量、ローラーの後処理す
      べてにわたって圧倒的な違いを思い知ったのです。ボンドを付けるだけでこの違いなんだか
      ら工具や機械、加工のノウハウなんかもっともっと違うんだろう。まったく舌をまく素晴ら
      しさ。でも、そんな私でも作らなければならない状況になったので、プロに伍しての仕事と
      はどんなもんだろうって考えざるを得ないっちゅうもんですばい。ま、技術じゃ太刀打ちで
      きないことはわかってる。だったら何で補うのか?
       図面を描き、材料を計算して見積り金額を出して、模型を作る。ここまでは家具を作るん
      なら当たり前のことだから誰でもおんなじだろう。
       実物模型を作り、相手の家に持ち運んで不具合がないかどうか確認してもらう。以前のY
      テーブルに比べたらこんな大きさは簡単なもんです。技術もないしノウハウもないことを補
      うためにはどうするか。結局、注文を決定するまでにお客さんの不安を解消し、不具合やイ
      メージの違いをなくすことぐらいしか知恵は出ないのです。
       お客さんのテーブル下に収まるから、高さ・幅・奥行きを確認したいのが人情というも
      の。それと、キャスターの種類をどうしようかも話し合わなければならない。前後だけ動く
      のか360度動くタイプなのか。相手は専門知識がないから、実物を見ていただくのが一番で
      すからね。で、奥行きを20ミリ短くすることになったの。で、そのことを今思い出したの。
      20ミリ小さくしないで作ってしまったぜ!!マジで、どうしよう・・・・・・。箱は出来
      ちゃったし・・・・・・・・・。なんてこったい、ブログを書いてる途中で思い出すなん
      て。そりゃ、思い出さないよりはいいことは確かなんだけど・・・・・・・・。こりゃ、エ
      イヤっと箱を切断、大外科手術にチャレンジするっきゃないかぁ。ああ〜〜〜〜〜物忘れの
      老人力が悩ましい。
       こんな感じで箱は出来つつある。これは、裏面。書きながら頭の中は手術方法で迷走して
      るんだ。書いてる場合じゃない、と思うけどボンドが乾くまで手が出せない。切ないのう。
       ブログを書く時はおおよそこんな感じで、と、全体をイメージし落としどころを決めてか
      らにするんだけど。今回は途中でアクシデントが発生したんでイメージは霧散してしまい、
      ここからどう書き進めるか・・・・・心は千々に乱れて、思い出せない。困ったなぁ。気を
      取り直せないなぁ。まずは、一服。冷静になって考えようょ、村越クン。
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・店を閉めて、新聞を取りに行き、夕飯の支度にとりかか
      る。今夜はカレーですばい。ご飯はないからお米を水に浸して、食器を洗い、友人からの
      メールに返事を出して、気分を取り戻すのも大変なんですから。ミスの実況中継で失礼した
      けど、落ち込んでいるわけじゃない。どんな仕事だって失敗はつきものだし、今までの経験
      でミスへの対応力はそこそこあるから。それに、己の老人力アップを日に日に実感してる
      し。ただ、ちょっと気が動転したってこと。対応策はひとつしかないし、それもメドがつい
      てるから大丈夫。多分?
       そうこうしていたら思い出しました。今記事の落としどころが。店主は2年間だけ会社勤務
      してたんだけど、そこはテントや看板を考えて作るとこ。家具とはかなり離れている業種だ
      けど多くの事を学ばしていただきました。当時は、ラブホテル全盛って感じでいろんな現場
      に行ったけど、五反田にあるエール・フランスという6階建てのラブホの責任者になったの
      です。学校じゃ木工しかやらなかったけど、ここでは金属加工がメインですから数えきれな
      いほどの失敗がありました。うまく行った現場はいまだに思い出せない。で、そのエールフ
      ランスなんだけど、各階2室あるから全部で12室。その全部屋の金属加工すべてを私の会社
      が請け負ったの。一番驚いたのはステンレスの浴槽。底が四角に抜けている穴があいてるん
      です。ここにガラスをはめ込み、さらに下に鏡を斜めに取り付けて、女性の入浴を男性が隣
      室のベッドから目の保養って案配。SMの部屋もあったりで面白かったんだけどね。
       ステンの浴槽なんて作れるの? と思っていたら社長が手配してスンナリ出来上がってき
      たのにはビックリしました。既製品に穴を開けたわけじゃなく、特注ですからね。何も知ら
      ない私は驚いたわけです。この浴槽も失敗したけど、強気で乗り切って、各部屋も失敗続出
      したけど、なんとかなった。何もしらないし、誰も教えてくれない、まことに頼りない責任
      者だけど、今考えると失敗したってしょうがないじゃんって思える。学びながらどんどん仕
      事をしてゆかなくちゃならない、あらゆることが後になって気が付く始末だから。現に社長
      だって失敗を叱責することはなかったしね。そりゃ誰だってわかるようなひどい失敗には
      怒ったことがあったけど。しかたない失敗には怒ることはなかった。そういう点じゃ良い会
      社でした。
       なんとかなったけど、なんともならないのが納期。間に合わないんですよ。どう考えて
      も。そこで、社長は私に指示したんです。悪いけど、村越君、これからは現場の前にトラッ
      クを停めてそこに泊まり込んでくれ、と。ホテルのオープンに間に合わないことはどうしよ
      うもないけど、誠意を見せようって戦法を決断したのです。どっちにしろ間に合わないペナ
      ルティ(お金です)は発生するんだけど、それを少しでも減額するべく情に訴えようとする
      のです。一生懸命にやっている姿を見せればクライアントだっていささかの同情の心を持つ
      んじゃないか。ペナルティを払うことは覚悟してるけど、それをただ黙って待つんじゃなく
      何か行動を起こして打開策を講じることに私は感心したんです。
       そうか、一生懸命真面目にやれば少々のミスには目をつぶってもらえるかもしれないの
      ね。下手でも失敗しても最後のさいごは一生懸命というドンクサイことに行き着くんだ。そ
      の心さえ忘れなければ世の中なんとかなるもんだ。そのことを教えられた貴重な体験だった
      んです。一生懸命やったってなんともならないことはあるだろうけど、だからといって最
      初っからイイカゲンな気持ちでやっていたんじゃ人の心の奥底にある情を引っ張りだすこと
      はできません。それが仕事の根本原理だと思うのです。こんなヒネた店主だって、心の中
      じゃけっこう誠心誠意なんですぞ。おちゃらけてエロ連発していたって心の井戸の底には澄
      み切った清水があるんです。それも蒸発したり地下にしみ込んだりして残りわずか。味見す
      るんなら今のうちだよ。美味しいよ、きっと。だから今回の失敗も、不真面目な仕事の結果
      というわけではないし、一生懸命な結果なんだからそれはしかたない。打開策もあるからさ
      ほど落ち込むってわけではないのです。
       それが私の心の核心だから、人を利用する人にはホント心の底から嫌気が差してしまいま
      す。たとえ、それがその人自身気が付かないうちでのことだとしても。人を利用することと
      誠心誠意とは真逆の心ですから。私は人を利用することが一番嫌いなことだから、身近には
      居ないでほしいと思っちゃいるけど、仕事の付き合いもあってなかなかそうもゆかず、実に
      不快で顔を合わせるのもイヤ。愛想笑いも引きつるんだ。世の中ままならないもんです。人
      を利用するテクニックもレベルがあり高度であれば気が付くのが遅くなって、気が付いた時
      のがっかり度や落胆度(同じやん)や自分の鈍さや愚かさなどがいっぺんにドサッと心に落
      ちて来るから立ち直るのに時間がかかります。人を利用することに比べたらエロ味充満とか
      下ネタ連発とか顔かたちがどうこうなんてホントに些細なことです。つくづく、マジにそう
      思うんです。そうじゃないっすか?
      いろいろあったけど、なんとか・・・・・・・・・・の、店主でした。

      金具天国

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          ♬ラ〜ララララ〜 ラララ〜ラララララ〜 ラ〜ララララ〜 ラララ〜ラララララ〜 妙
        に耳に残るイントロだったのはウォーカー・ブラザースの「ダンス天国」だったけど、私は
        ダンス・・・・・ではなく金具。そう、金具なんざんす。金物とも言うかな。近所の金物屋
        がなくなったのはいつの頃だろうか。天井からやかんがぶら下がっていたりちょっとした工
        具やネジなんか売ってた。文房具屋さんもね。小さな町だけど2軒あったのが、もうない。
        この文房具屋さんが店じまいする時に大量のトレペを買い古いロットリングペンを戴いたこ
        とを思い出す。扱いがわからなくて銀座伊東屋に持ち込んで「こんな古いもの!」と感心さ
        れたことも思い出す。寄る年波の頭の中は思い出すことばかり。思い出を並べて商売でもし
        たろか? 思い出露店とかなんとか。
         さておき、金具です。建築でも家具でもよく使われる金属や樹脂製の部品のこと。代表選
        手は蝶番や取っ手や引手でしょうか。学生作品をコンペに出品して、入賞した際に知り合っ
        たT氏はこんな金具のメーカーに勤務していて、おりにふれ金具の払い下げをしていただき私
        の周辺は、そんな金具たちがそこかしこに潜んでいてまったく「金具天国」とでも呼んであ
        げたい。好き者にはこたえられない桃源郷なのです。最初の大きな払い下げは、新橋にあっ
        たショールームが移転するんで設置してあったサンプル類が不要になり、トラックを用意し
        てどっさりいただいたんだっけ。なんせ大量ですから、あちらやこちらにお裾分け。次は、
        知り合いのところに預けてあった引き出し類。これはワタシの車で引き取り、我が家と工房
        と事務所に使い、知人の家のクローゼットに設置してほぼ無駄なく使い切りました。偉くな
        いか? と、誰も言ってくれないから、自分で言うしかない。
         さて、我が家のキッチン。最新設置の食器棚がこれ
         左がそれ。右は旧来のもの。幅はピッタンコ。だけど天地が高すぎて10センチほどカッ
        トしました。最下段の鍋置きは今まで使っていたものを転用したけど。どうです、Tさん。誂
        えたようできれいに仕上がりましたでしょ。取っ手を引き下げると
         こうなるのだ。それにしても、上下する扉は棚の半分しかカバーできず、海外ではこれで
        え〜んだろうかと思っちゃう。清潔好きほこりを嫌う日本人は首を傾げるかもしれないけど
        私はこれでいいんじゃ、大満足なんじゃ。その脇の空いた場所には棚をつけ。この金属枠も
        払い下げ品。確かスイスのメッキ処理と聞いた覚えがある。
         流し台とレンジの下は白いメッシュの引き出し
         お米の収納は30kg。カミサンの郷里から送られてくるお米は常に30kg。それが、丸々収
        納できます。でもなんの問題もないさ。軽々なのさ
         その上には、上下する金属棚
         そして、本来はキッチンゴミバコに使うものは、ショップに
         足が見えてるけど、本来はココを膝で押す
         あ〜ら不思議、そろりとゴミバコがでてくる
         仕切りは4つ。ウィーンの友人宅でも使ってた。逸品だけど我が家のキッチンは狭すぎて
        使えないのさ。だから、こうしてショップで使うしかない。
         それにしても今日は寒い!! 東京じゃみぞれのような雪でっせ。赤々な炭火、オイル
        ヒーター全開の地下でもひしひしと寒さが感ぜられ、どうにもこうにも縮こまるしかない。
        温泉に浸りたいなぁ〜。温かい珈琲もすぐ冷める。珈琲の利尿効果と寒さのプラス二乗で、
        たちまちトイレに行きたくなる。こらえ性のない膀胱は身悶えして排尿を訴えるのだ。我慢
        せいよ! と元気づけるけど一階にあるトイレに階段を登り降り。回数数えちゃうぞ! も
        う。本来は生殖と排尿のダブルキャストであるにもかかわらず、とんと生殖本編の出番はな
        くなってしまった。残る排尿機能も衰亡一直線のていたらく。寒さに凍えてチンコますます
        縮こまりすでに身体本体に没して外からお姿を見る事かなわない。そういえば、若いときに
        長く海で泳いでいるとこんなこともあったっけ。見たことないでしょ、女性は。それでなく
        とも老いさらばえたシワシワなチンコ、哀れなもんでっせ。とてもじゃないけどお見せ出来
        るもんじゃない。私だって見たくない。
         以前も紹介したけどアンプ棚の扉で大活躍の金具。
         本来は、電子レンジなんかの目隠し扉を跳ね上げるためのものらしいけど。これに、幅2.6
        m高さ36センチの板を取り付けまして、下げると
         こんな感じで、跳ね上げると
         こんな感じ。今は、この板に映写幕も吊り下げてるけど、そんな重さにゃビクともしな
        い。素晴らしい全幅の信頼感です。
         取り外ししなければならないベンチ座板は、
         ちっちゃな部品を、
         こう付けて、もう一方にも
         こう付けて
         手でグッと押し込めばきわめてガッチリと固定出来る。さらに、この座板にテーブルを取
        り付ける
         ざっとこんなふう
         でも、なんといっても代表格はスライドレールなる金具。この会社の製品は、
         こういうもんで
         引き出しの下にあるフックを両手で外すと、
         カンタ〜ンに取り外せるのだ! ご覧下さいませ、二本の棒が見えますでしょ。これに引
        き出しが載るんざ〜ます。載せて、押し込めばカチリと固定される。このカチリがえも言わ
        れぬ快感でしてな。しかも外からは一切見えない奥ゆかしさ。
         それにしても今日は長い!! 長すぎまっせ。要はヒマなんだわ。なにもやることないん
        だわさ。思い立った金具大公開はT氏への感謝の気持ち。折々にご報告はしておったんだけど
        全部まるまるの時期なのかなとね。ふと、思ったわけよ。だから、この記事はT氏だけのため
        です。そんなこと書きながら聴いてるのは大萩康司の「Cielo」。長谷川きよしもいいけど大
        萩康司もええですよ大阪のNさん。私の大好きなギタリストです。その前に聴いたのはテナー
        サックスの第一人者・須川展也。クラシック、ジャズなんでもござれで清々しくも精緻な音
        色に痺れる店主。またしてもトイレが私を呼ぶ。見れば、外は雪じゃんか。なんてこった
        い! ゆりちゃん、こりゃ当分止みそうもねえな、吹雪いてきたぜ(by 龍・中西)。こんな
        寒くちゃじっくり腰落ち着けて書き続けるしかねえな。二人で最長不倒の金字塔でもうち建
        ててみようか。な、ゆりちゃん。
         スライドレールの本体です。どーです、立派でしょ。すらりと伸びた姿に惚れ惚れ。硬く
        て伸びる。ほんにあんたは・・・・・・・。これが伸びれば
         こういうことになるわけだ。
         
         うっひょ〜、えれ〜伸びるの〜。これは48センチ。フル・エクステンションですから奥行
        き48センチの引き出しがぜ〜んぶ出て来ちゃう。しかも、これはダンパー付ですからバーン
        と強く押し閉めても残り数センチでスゥ〜と収納されるのじゃ。これがまた気持ちいい。娘
        のマンションのキッチンはすべてこのダンパー付きだから効用のほどが理解出来ます。
         さきほどのゴミバコの上の引き出しにも
         お米収納の上にも
         
         キッチン引き出しもご覧の通り。もうすでに我が家で引き出しを付ける所はありません。
        まったく満杯です。そして、ギュウギュウ満員です。
         ごく最近の恩賜の引き出し
         ごめんね。場所はもうほとんどないからショップのテーブル脇に設置せざるを得なかっ
        た。両側板が透明アクリルだからさ、ズバリと中央に置きたかったんですよ。でも、悲しい
        かな狭いかな置き場所がない。こんな隅っこでなんとも申し訳ない。この引き出しは、
         こんなふうにド〜ンと全開になるんだけど、素晴らしいのは下を引き出せば上は引き出せ
        ず、上を引き出せば下が引き出せないようになっとること。二段の引き出しをいっぺんに引
        き出すと本体がひっくり返るからさ。それを防ぐための機構なの。その機構がよく見えるよ
        うに本体が透明アクリルで作られているの。複雑でっせ、この機構は。どこがどうなってい
        るのかわからない。そりゃたしかに便利ではあるけど、こんな複雑な機構を考える技術者は
        きっと複雑な仕組みを考えるのが好きなんだろう。ゼニカネ抜きでやっとるとしか考えられ
        ない。でも、そ〜いうの大好きですから。持っているだけでウレシイのだ。
         それにしてもお腹が減ってきた。もう12:30だもんね。昨日は、二日酔いで朝寝だったけ
        ど、その反動でか今日は8:00前に目が覚めて、パン食べて、机に向かって書き始めたのがそ
        もそもで。こんなマラソン記事になるとは思わんかった。地下のオーディオだとCDの入れ替
        えが面倒なので、ついさっき一階にあるサブシステムのスイッチON。なんせ五枚のCDを連続
        演奏出来るからBGMにはサイコー。聴くのはENYA。すべてのCDを持っている。ENYAは
        え〜んや。なんてね。図面を書いたり模型を作るときにENYAは最適だってこと知ってます
        か? まるで大型船が海を渡るような、遠目には静かだけど近くに寄れば波をかき分けズン
        ズン進むような感じがまことによろしいのだ。
         
         そうしている間にも炭は姿を変える。赤々は白い灰になり放置しておくと消えてしまいま
        す。新しい炭を足し,熾(お)きた炭の位置を変えなければならない。なかなかにして炭火
        は手間がかかりやっかいなもの。だから、常時、火鉢で暖をとるためには私のようなヒマな
        老人が居なくてはならず、そんな老人が居ない家では火鉢は使えない。こうなっとるわけ。
        また、この炭なるものちゃんとしたものでなければならないのですよ。一度、ホームセン
        ターでバーベキュー用を買ったんだけど、煙ってどうしようもないことがあってね。近所の
        燃料店のものしか買わなくなった。でも、炭火のほんのりした暖かさはなかなかのもんで、
        捨てがたい魅力はある。ENYAは快調に奏でてくれているけど又してもトイレが呼ぶんだ。
        ネイチャー コール ミー なんて言ってたころもあった。HすることをGIセンターなんて
        ことも。帰りしな外を見ると雪はどうやら本格的な展開。
         なんてこったい! さきちゃん、こりゃ当分止みそうもねえな、吹雪いてきたぜ(by 龍・
        中西)。またかい!! こんな寒くちゃじっくり腰落ち着けて書き続けるしかねえな。二人
        で最長不倒の金字塔でもうち建ててみようか。な、さきちゃん。でもって、who is SAKI?
         こんなんのもあるし
         こんなんのもある
         長い記事でも終わりはやってくるんだ。これが我が家の金具ぜ〜んぶ。家のあちこちで息
        を潜めて出番を待つ姿に想いを馳せる。誰も見ていないとこでもちゃんと仕事をすることの
        すばらしさなんてものは今どきなかなか居ませんぜ。仕事ってのはこうでなきゃいけません
        よ。見習いたいもんだ、まったく。目立ってなんぼのココロは店主もおんなじだけど、こう
        いう地味な存在には尊敬の眼差しは忘れておらんのじゃて。
         なんて言ってないで、そろそろ昼ご飯にしましょうか。ご飯はありますし、おかずは昨晩
        の残りがある。みそ汁だって。記憶によれば、サーモン刺身(30%引きだったから)と野菜
        炒めがおかずでみそ汁はじゃがいも。自慢じゃないけど私がすべて料理した。けど、遅い帰
        宅のカミサンは夕食済ませてきたから、私が平らげなければならない。下手すると数日同じ
        おかずを食す栄誉に輝くこともある。でも、地球の営みからもたらされた貴重な食材ですか
        らありがたく頂戴しますよ。捨てるなんてことは絶対にしない。マジで。
        じゃ、そういうことで・・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

        やはり失敗したのだ!

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            息子に頼まれたまんまほったらかしになっていた小テーブルを作ったのだ。彼の部屋は
          ごっつ狭いからそんなテーブル何に使うのかいって思って尋ねたら。英検勉強の時に使うん
          だと。なんせ6畳にベッドがドカン、でもってTVやら壁面棚(これもアッシが作った)が
          あってテーブルなんか置けるわけがない。だけど、勉強の時だけの軽くてちっちゃな折り畳
          みができる軽便な(同義語連発じゃんか)テーブルが欲しいってわけなんだ。彼の勤務先で
          は英語検定何級とかいう資格が求められてるんだそうな。いあや、大変ですのう。
           テーブルの広さは40センチ×60センチというミニサイズ。ホームセンターで売ってる折り
          畳み脚なんか使えるわけはない。甲板が小さいから長い脚がはみ出しちゃう。これじゃまる
          で蟹のようでみっともないことこの上もない。かといって既製の脚は高価だし重いし。って
          ことで脚も作ることにしたんだけど、問題は脚と板の接合方法。これがどうにも無理そうな
          ので、これが延び延びになってた大きな理由なんです。金具の取り付けに失敗の予感満載で
          スタート
           ホームセンターで購入したSPFなる建築材。所定のサイズに切断して。ま、ここまでは軽い
          んだ
           センターを出して。ここに金具取り付け用の穴を開けなければならない!
           金具すなわちこんなボルト。これを脚に取り付けようって魂胆。上のが売ってるそのま
          ま、下のはボルトのネジ部分をグリグリ回すためのダブルナット(二個のナットを重ねて取
          り付ければ頭がない単なるボルトネジでもスパナで回す事ができる)を取り付けたところ。
          当たり前だけど、上のボルトだけじゃ回して固定することなんかできないもんね。問題なの
          は、これを取り付けるための穴開け。長い棒の切り口に穴をあける事はきわめての困難事。
          なんせ、日本の卓上ドリルは垂直方向にしか穴は開けられませんから。今回の棒のような長
          い材には切り口に垂直に穴はあきません。水平用の卓上ドリルなら開くんです。どうも、日
          本では水平に穴が開けられる卓上ドリルはないみたいで、こういう場合とても困るわけで
          す。
           しばし考えた店主。こんなような治具(作るための道具)を作ってみました。
           ふつうは台の上で使うバイス(別名、万力:まんりき)を垂直に固定し、それに脚を固定
          してと思ってはいるけど、うまくゆく自信はまったくなく。でも進めなくちゃならない心境
          はかなり心細い。
           最後はハンドドリルで穴開けるんだけど、ハンドドリルでは垂直まっすぐに固定出来ない
          から、少しでも垂直になるようにとこんな治具を作ってみたわけ。左側に開ける穴と同じサ
          イズの穴を開け、これをガイドにすればいいんじゃないかとは浅はかな。わかっちゃいるけ
          ど、これ以上のアイデアが出ないんだからしかたない。
           固定された脚に、さらに治具を固定し、上からドリルで穴開ける。肝心のドリル本体がフ
          ラフラしています。頼りないなぁ。失敗(まっすぐ穴が開かないこと)の予感は膨れ上が
          る。でも進まなければならないのだ。
           こうやってオープンレンチで回しながらネジ込んでゆきます。その際にもボルトが傾いた
          まま捩じ込まれそうになり・・・・・・不安は陰茎のように勃起する。どう考えたって真っ
          すぐに固定できないでしょう。わかっちゃいるけどやめられない。
           まずは、捩じ込み完了。ボルトだけが頭を出しているんだけど、これが果たして脚にまっ
          すぐ埋められ固定されているのかどうかわからない。ボルトの出っ張りが短いので確かめよ
          うもないし、たとえ確かめられたとしても直しようもない。すでに入っちゃってますから
          ね。まるでアルペンスキーの滑降競技のような一発勝負なんですわ。穴がまっすぐ開いてい
          るのか、さらにボルトの捩じ込みがまっすぐなされているのか、二重の関門をくぐり抜けて
          いるかどうかは、板に取り付けてみないとわかりません。
           ボルトが取り付けられる板にはこんなように埋め込みナットが捩じ込まれている。この
          ナットに脚のボルトをクルクル回して固定しようって算段。実は、このナットも、下穴は垂
          直に開けられるけど、ナットそのものを捩じ込んで固定する時に傾きながらグリグリと捩じ
          込んでしまう雰囲気がスパナを伝って私の手が感じるのです。これは怖いですよ。ちっちゃ
          な恐怖だけど、これも一発勝負だから後には引けません。覗き込んで様子をみながら慎重な
          作業に心がけてはいるけどはなはだ心もとないのでアリマス。
           そんな不安をよそに出来ちゃったんです、子供が!。じゃなくてテーブルが。一見ちゃん
          としてるように見える。けど、脚は曲がっています。どうやら、うまくいったのは2本だ
          け。クルクル回している途中で脚の先っぽはあっちゃこっちゃ大きく回りながら捩じ込まれ
          てゆく。悲しいのう、切ないのう。しかし、今となっちゃどうすることもできない。案ずる
          より生むが易し、ではなく、案の定こうなっちまった。
           塗装は油性ウレタン三回塗り。そこそこきれいな仕上がり。でもね、出来上がったものの
          全体が軽いからフワフワして安定感はないし、脚が曲がってるし、なんだかな〜・・で。
          どんな小さな仕事だってうまく行かないってのは気持ちが悪いもんです。こんな店主だって
          いささかの矜持はありますからね。こんな出来でも、果たして息子は気に入ってくれるんだ
          ろうか? 
          まったくもって、気が晴れない・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

          一応デザイナーだかんね

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              去年の秋、珍しくFACTIOに来客あり。来店されたのは三人組の妙齢美女。目的は、カル
            トナージュなるものに取付けるための取っ手探し。FACTIOはつまみの専門店と称しているが
            わざわざつまみを探すために遠路訪れる方は極めて少ない。しかし、だからということか来
            店されるお客様はいずれもなかなか相当な方ばかり。ある意味、強者揃い。このお客さまも
            例に違わずかなり強烈な個性の持ち主で、入店されてつまみを一通りみての後、取っ手なん
            かそっちのけで店内にあるものを機関銃のような質問攻め。床の穴に感心し、未完成の商品
            に感心し、上や下への大騒ぎで、まっことかしまし娘のごとし。そんな勢いに押されっぱな
            しで気が付けば土俵際でつま先立ち状態。こっちとら無口な坊やに急速変身立ち尽くす。元
            気だぞい、この年令の女性は。恐いものなんかじぇんじぇんない。きっと、どこにいっても
            こんなふうにブイブイ言わせて闊歩しとるんだろうなぁ。
             ま、ま、お茶でもと珈琲を用意しても口が休まるときはない。もちろんつまみの店なんか
            で儲かるわけはないなんていつものペースで話したら、生業はなに? と聞かれたもんだ。
            デザイナーという一般的な呼称は恥ずかしい、生業と言えるほどのことはしていないけど、
            こういう場合言うしかない。「一応、家具のデザインもやってるんですけど」。アラ、それ
            ならテーブルも作っていただけるのかしら?・・・・・。なんてことが端緒であれよあれよ
            とトントン拍子でテーブルを作ることになったの。作るたって私じゃない、知人のサンダン
            スhttp://www.sun-ww.com/が作ってくれる。私は、設計だけ。作るわけじゃないからプ
            レッシャーは財布のように軽く安気なもんです。
             この方の家にはYチェアがいっぱいある。
             デンマークの家具デザイナー ハンス・ウェグナーが1950年にデザインした有名な椅子で
            す。背もたれの支えがY形なので通称Yチェア。この椅子に合わせたテーブル、しかも普段は
            普通サイズで、来客時には大きくなって欲しい。そんな要望なんだ。家具を志している者な
            らウェグナーは避けては通れません。店主だって道ならぬ恋だけに明け暮れているわけじゃ
            ない。根はマジメなんだ(と、自分では思ってる)。中学の頃にデザインってものがあるこ
            とを知り、以来隅っこではあるけど、とにかく家具デザイン業界と共に歩いてきたんだ。そ
            の中でもウェグナーは別格。憧れの存在。ほぼ唯一のアイドルでやんす。だからね、こりゃ
            大マジメに取り組まにゃなるまいってんでパンツのゴムを引き締めますです。
             折もおりひょんなことからテーブル伸張金具が入手できることになり、タイミングもバッ
            チリ。金具がないとテーブルを大きく(伸長)するには伸展構造ぜんぶ木で作らなくてはな
            らないから大変なんですよ。これが。作るのも大変だし、どうしたって重くなるからスムー
            ズに伸長するのがむずかしいのです。まずはお客さんの家に行って要望を聞き、とにかく実
            物大のモデルを作ろうと思ったワケ。この段階での眼目は2つ。大きさを実感していただく
            ことと部屋に置いた状態を確認すること。普通サイズは今使ってるテーブルと同じだから問
            題はない。けど、伸展して大きくなったときのサイズは実物でないとわからないでしょ。こ
            の仕事が進むかどうかわからない段階で原寸モデルを作るのはリスク(原寸を作ってはみた
            ものの中止になるかもしれないでしょ)はあるけど、相手がウェグナーであれば悔いのない
            ようにしたいから、当方に問題はこれっぽっちもない。
             なんせウェグナーですから気合いの入り方が違います。一生のうちにこんな素晴らしい仕
            事が舞い込むなんてことは多分もうないでしょう。なので、こんなふうにね。ありあわせの
            材料で作ってみました。店内で組み立てたけどデ、デカイ!! この位置でしかカメラに
            納まりません。
             巾は85センチ奥行きは1.7メートル。いたって標準的なサイズです。これを伸ばすと
             ごめんなさい。縦横間違ってしまって。どうぞ、首を傾げて見てくだしゃんせ。どーです
            わかりにくいだろ〜けど、長い長い。
             ほらね、中央部にこんなステキなアルミの金具が鎮座しとるわけだ。うーむ。アタイも初
            めて見る金具だからちょっと圧倒される。この金具、1.5mまでテーブルが伸びることが出来
            ます。フ〜ンなんて聞き流さないでいただきたい。いーですか。1.7mのテーブルが3.2mま
            で延びるんでっせ。簡単に言えば倍サイズになっちまうってことでっせ。しかも、テーブル
            両端に手を付いたって全然平っちゃらでさ。もう、なんていうかどっからでもかかってきな
            さい!みたいな。そんな絶大な信頼感がある逸品。延ばすにはテーブル板を引っ張ればよろ
            しい。スルスルと両側に開いて行く。しかもですよ、引っ張るのは両側でなくともいいの
            だ。片方の板だけを引っ張れば、あ〜ら不思議。向こう側の板は自動的に向こうに延びて行
            くんですたい。中にワイヤーが入ってますからね。ワッカルかなぁ〜。
             脚はこんな感じ
             これをFITに載せてお客さんの家に。名車FITはなんでも載せることができます。そしたら
            お客さんは延びて大きくなることにびっくり。かなり広い部屋なんだけど3.2mのテーブルと
            なると置き場所に困る。なので延びは1mにおさめて、最大2.7mとなった。それでもデカイ
            でっせ。延ばす理由は、子供や孫が来た時に1.7mじゃ狭過ぎると、だから普段はふつう、来
            客時は広くしたいの。原寸モデルを持ち込んだので大きさの感覚は理解していただけまし
            た。高さも確認出来ました。おおよそのデザインも確認していただき、で、次の段階へ。
             縮尺図面を切り抜き
             材料に張り付け
             糸鋸盤でシコシコ切り抜き
             テーブルも2案作り
             これが伸長した時
             脚の原寸モデルも作ります
             脚と床が接するところはこんな感じで丸くなる
             脚の端面を機械で丸く加工。右端と左側の丸さが異なります。
             異なる曲面をカンナとヤスリできれいに仕上げる
             脚もこの通り2種類作りました。ほとんど同じに見えます。けど、違う。およそ70㎝の長
            さは同じだけど膨らみがちがうんです。片や2.5ミリ片や5ミリ。いずれもほんの少〜しだけ
            膨らんでいるのです。写真では到底判別叶わず、実物で比較してもそう言われればという程
            度の差しかないもんね。
             さて、いよいよ縮尺モデルの組み立て
             脚と貫(ぬき。水平材のこと)をそうっとボンドで接着し(小さいから手持ちのクランプ
            で締められない)
             ひっくり返した形で組み立てる。だんだん完成形に近づきます
             縮尺とはいえ脚は丸くせねばならぬ
             脚と貫の接合部も出来るだけホンモノに近くせねばならぬ
             ご覧の通りにテーブルのフレームは出来上がり。実際もこんな構造になります
             甲板(テーブルトップ)を載せるとそれらしくなりますなぁ
             ハイ! これが伸長した時。大きいでしょ。
             ハイ! これが伸長途中の図。このように甲板は両側に開かれて、下に伸長に使う2枚の
            板が収納されます。
             ま、ここまでは普通の工程。だけど、今回はウェグナーというご神体がおわしますから、
            さらに実物に肉迫せねばならないのです。というのは、Yチェアに合わせたYテーブルをとい
            うことなので、何をどうしたらYチェアと同じような雰囲気イメージになれるかが肝要で。Y
            チェアの魅力はなんだろうどこだろう? 構造は決まった、材料も決まっている、さて形は
            どうしたもんかのう。ひいてはウェグナーのデザインの魅力は?考えは次々と広がります。
             店主思うに、ウェグナーの椅子の魅力はなんといっても「懐かしさ」に尽きる。映画「ラ
            ストショー」は妙に懐かしさが満ちあふれていたけど、監督のボグダノビッチは「あらゆる
            人の共通の概念は『懐かしさ』だ」なんてこと言ってたことがいつも頭の片隅に引っ掛かっ
            ている。数多ある家具の中でも懐かしさではウェグナーがNo.1だと私は確信している。別の
            言い方だとYチェアに限らずウェグナーの家具は誕生した時から古さを内包しているのだ。だ
            からいつまでたっても古くならない。なぜなら最初っから古いから。こりゃ、凄いことです
            よ。多くの家具たちは最初は新しいけどいずれは古くなりますからね。まったく異次元の存
            在として屹立しております。音楽の世界でいうなら高橋真梨子。懐かしさを感じさせる歌は
            いっぱいあるけど、彼女は声が懐かしさを感じさせるんだから天下無敵だと私は思うんだ。
            それに歌が加われば懐かしさは一層、まったく既視感の世界に浸れるのではないかしら。
             話しを戻します。ウェグナーの魅力「懐かしさ」を私なりに解釈して、それは曲面だとい
            うことで一件落着。これに至るにはいろいろあったけど、つまりは、私の経験や知識などか
            ら導き出された極めてシンプルな答えということ。それに誘われてこのテーブルは、あらゆ
            るところで曲面が使われていて、しかもその曲面はとても微妙なアールで構成されている。
            脚もそうだけど、テーブルトップの形も同じで周囲は直線部分はありません。これを確認す
            るには縮尺図面ではダメ、じゃ原寸図となるけど大き過ぎてとてもじゃないけど描けない。
            ならばということで部分的に原寸で図面を描いてみたわけです。上述の肉迫するっていうの
            はこういうことでね、それが確認できないと不安だし、ウェグナーに失礼ですもんね。
             ハイ これが私が考えるウェグナーの魅力。テーブルトップの短辺85センチの部分曲線。
            この図の左右は85センチ、これに上方向の1.7mが加わればテーブルの形となります。上と
            下では曲率が異なります。上の方がやや丸いでしょ。これをサンダンスさんに相談したら出
            来れば曲率のデータが欲しいって言われてしまいまして。ウーム、どうやったらこの円の半
            径が出せるんだろうといささか考えましたわい。数回チャレンジの後、出て来た半径は、上
            は8.2m、下は13.3m。これのどちらがYチェアのイメージに近いのか? 悩ましい。上の方
            が丸みが目立つ、下は目立たない(見方によっては直線に見えるかもしれない)。角のアー
            ルも違います。さぁ、どっち。悩むなぁ〜。ま、サンダンスさんやお客さんと相談して決め
            ましょか。
             短辺85センチはまだ短いから曲率も小さいんだけど、長辺1.7mともなると曲率は正円で
            は描ききれず楕円を使わないと図面が描けません。丸みのあるほうは30m×20mの楕円、も
            う一方は30m×26mという途方もない楕円を使うことになりやした。どうよ、こんな曲率。
            とてもじゃないけど現実のものとは思えない。長さ1.7mの中央部で1〜2.5センチの膨らみ
            ですから、これをどうやって材料に描くのか、どうやって削り出すのか、興味は尽きない店
            主。作業途中で何度か見せていただかなくては気が治まりません。そんときゃヨロシクね、
            サンダンスさん。
            でもって明日打ち合わせなのだ・・・・・・・・・・の、店主でした。

            恩賜のテーブル?

            0
                だからさ恩賜じゃないって言ってるでしょ。恩賜じゃなくって恩師。わかってるのか
              なァ? この言葉の同音異語は二つっきゃない。つまりは、恩賜と恩師。問題は、その恩師
              のテーブル。といってもすでに板だけでしかないけど。なんたって30年ほども前のことだか
              ら、いろいろ紆余変転はあるわけですよ。人生にもあるんならテーブルにだってあっておか
              しくはない紆余変転。地下の事務所を中心とした20mほどの円の中をあちこちに巡り巡って
              幾年月。外見は皺こそないものの当て傷や取り付け痕のあとやシミなどまさに歴戦の勇士。
               店主にとって恩師と言えるのは今までの人生に於いて二人しかいません。その一人の方が
              引っ越しするにあたって部屋にあるものどれでもいいから好きなものを持って行っていいわ
              よという状況で頂いてきたものの中。あれやこれや貰ってきました。お名前は桂木利子先
              生、東京デザイナー学院インテリアデザイン科の講師で、恥ずかしながら私も教え子末席
              を汚しているのでありまする。多分私よりも6〜7才年上。まったく仰ぎ見るような存在だっ
              たし、今でも仰ぎ続けっぱなしで、会えるものならお会いしたい候補の筆頭格。
               東デを卒業して就職が決まりかけていた時に学校の助手にならないかと声を掛けていただ
              いたし、その後助手から専任になってからもいつもお手本になっていた存在。この学校には
              今も週一回程度教えに行ってるんだけど、すでに最古参となっている私。およそ40年以上関
              わっているけど私が知る教師の中でも最優秀の一人であることは間違いない。その彼女が指
              導した学生の卒業制作はなぜか常に秀作なの。そこで指導方法をお聞きしたら「スケッチ描
              いちゃだめよ」と言われたこと。で、アタシャ仰け反ったわけ。デザインの授業で学生にア
              ドバイスする時にスケッチを封印することなんか私には考えられません。スケッチを描かな
              いでどうやって指導するのかいな? 言葉だけってことですかい。
               立体系のデザインで自分の考えを表現するのにスケッチは欠かせない。かたちや機能や構
              造などを表わすにはスケッチが必要です。でも反面、スケッチを描いてしまうとアイデアは
              限定されたものになり学生は描かれたスケッチの影響を受けるし幻惑されもする。つまり
              は、学生の想像の翼を折ることになり、自分で考えることの放棄につながります。それはわ
              かる、わかるけどアタイには出来ない。そんな画期的な指導方法は私には到底な無理難題。
              だから、不肖の弟子の私は今でも指導する時にはスケッチを描いてしまうけど、そのたびに
              心中では「ゴメンネ、桂木さん」と手を合わせつつ・・・・・・・・な、ヘッポコ教師。
               また、私が結婚した時にレコードとともに一通の葉書が送られて来て、その中にボーヴォ
              ワールの述べたことが書かれておりました。「結婚は、個人を孤独から救い家庭と子供を与
              えて、空間を時間の中に安定させる生存の決定的な目的遂行である」と。ドヒャ〜、ボー
              ヴォワールですかい!! ボーヴォワールといえばサルトル、サルトルといえば実存主義。
              うーむ、当時26才の私にはわかるはずもない世界。悲しいかな、今でもわかりませぬ。いや
              日頃ボーヴォワールなんて一切口に出さない方でしたからね。物腰柔らかく、むずかしい言
              葉なんか使わない、指導される学生のアイデアを否定することもないし自分の考えを押し付
              けることもしない。だけど出来上がった作品は常に一定のレベル以上。その根底にあったも
              のの一つがボーヴォワールであったか。この葉書は、今もお店のトイレに掛けられていま
              す。おシッコするたびに読み返します。
               一枚がこれ。最初っから板だけだった。多分、製図板に使われていたのか。あちこち転々
              とした板ですから汚れているしビス穴も開いています。これを、工房にセット。ここで何を
              するのかといえばモデルを作ったり紙を切ったり貼ったり。今までそんな軽作業は事務所で
              やってたんだけど、ライブ会場に変身した今じゃ大きな作業台は置く事叶わず。見ての通り
              なんのこともない単なる化粧板です。けど、私にとっちゃ単なる板ではない。切り刻むこと
              なんか出来ませぬ。
               そしてもう一枚、
               これは元々は座卓だった。短い脚は切り離して別の家具に使いました。で、残ったのがこ
              の板。今までは地下で使っていたけど重くて取り外しが面倒。この板もあちこち流浪してい
              たから小傷はあるけど。現段階ではここに仮住まいと相成った。とはいえ、最初は座卓、そ
              れを椅子用に直し、さらに既存の棚に合わせたから脚は伸ばさないとならなくなり、
               このように付け足し脚の現状で。こうしないととりあえずにも設置出来ない。ちょっと見
              ダリが描く象の脚のようでもあり。当たり前の事、かなり不安定で何も置けませんけ。まん
              ずハァ、当面はこれで我慢。しかる後に脚を作らねばならない。この板は無垢材ですから、
              それなりの扱いをして差し上げないと失礼になります。ここなら、悪くないでしょう。
               で、恩師その二。これも東デ関係。4代前の学校長の長田先生。私よりも20才以上年上だ
              けど連絡が途切れてずいぶん経ちました。お元気なのかなァ。一番の思い出は東デ職員の歴
              史上でもかなりの大事件のこと。学生数は今のほぼ10倍(推定です)くらいでまだまだ景気
              が良かったころに事務職員と教師たちが伊豆半島に研修旅行に行ったんです。まぁ、慰安旅
              行みたいなもんだけど。全員がほとんど20代、しかも男女混合です。なにか起こらないわけ
              がありません。
               キッカケは忘れたけど女子職員の一室で飲み会になってしまい、果ては酒がなくなってホ
              テルの厨房に忍び込んでガッサリと酒を調達の仕儀。まったく大盛り上がりなのです。その
              中でも一組のカップルが出来上がって抱き合ってキスして脚で襖を蹴りまくる。夜中になっ
              て隣室の年配の女子職員が注意し叱責するんだけどおさまりのつきようもない状態は朝まで
              続き。全員揃っての朝会になっても泥酔して抱き合った二人を誰も離すはできない。一応
              言っておくけど抱き合ったのは二人だけ。私を含め他の面々はそんな破廉恥なことはしたく
              てもできないオボコぶり。でね、抱き合ってる二人は放置して我々は帰ってきたわけです。
               さて、その後学校は始まったわけだけど、ひそかに大騒ぎになっておりまして。この一件
              が理事長の耳にも入ってしまい、片や職員室片や事務室でそれぞれ聴き取り調査が始まって
              しまったわけ。我々教師の聴き取りを担当したのが当時の学校長の長田さん。名前を呼ばれ
              次々と別室に。一室での出来事を事細かに質問される。当時は、まだまだ真面目でウブでし
              たからこりゃ大事だわいと神妙に答えていた私。ですが、後になってみれば首になるとかど
              うとかそんなことはまったくないことがわかってきた。逆に、取り調べる学校長はどんなに
              楽しいひとときであったか、を理解するにいたって私たちはなんという愉しみを彼に与えた
              もうたのだろうかと考えるに至る。なんてね。当時の学校長は50代、私たちは25,6才。まる
              で赤子の手をひねるようで、ここを先途に内心ニヤニヤしながらあれこれほじくりまわす学
              校長の心はいかばかりか。
               言って見れば「いいおもちゃ」です。その後ずいぶん時が経ってから「あれは面白かった
              ぞ」と言われてずいぶん酒の肴になったもんだけど、今にして思えばまさにその通りだった
              ろうと得心がゆきます。この学校長は、そんなことも面白がる気質の持ち主だけど、わから
              ないことにはちゃんと答えてくれたし、指導者としての資質も充分持ち合わせていました。
              なにかの話しで東京デザイナー学院じゃなく「東京風俗学院」なんてのもいいかもしれない
              という私の冗談にも乗ってくれて、授業内容なんかもあれこれ品下がる話しで盛り上がった
              ことも忘れられません。教室を区割りしてお風呂を付けてソープから女性教師を引き抜いて
              我々も指導されたり指導したり。年相応の教養もあり、仕事について叱責もするけど、真面
              目一点張りでもなく、ユーモアも理解し下ネタにも付き合える心が素晴らしい方でした。
               あぁ、私はそんな恩師の足元にも近づけているんだろうか。せめて膝くらいには並べてい
              るんだろうか。広くて高い視点で物事を見れるようになったのだろうか。学生のアイデアを
              否定したり自分の考えを押し付けたりしていないだろうか。教養の巾は狭まっていないだろ
              うか。少ない教養とはいえそれが作品や私の人格の下支えになっているのだろうか。ユーモ
              アを理解し反応のスピードは衰えていないだろうか・・・・・・・・・・・・・・。
               つまりは仰ぎ見る恩師の弟子として恥ずかしくない存在になっていれてのだろうか。
              いつもその事が気になっている・・・・・・・・・・・・・店主なのです。

              炭火談義

              0
                  只今、朝の10:06分。ブログを書こうとしたらラジオでは北朝鮮の事実上ミサイルの発射
                速報をアナウンサーが連呼する。事実上ということは確たる証拠はないけど、多分という推
                測でミサイルだろうということ。ひょっとすると宇宙へのロケットかもしれない。北朝鮮と
                いう国も不可解で謎は多いけど、いささか過剰な対応ではないだろうか。敵がいなければ軍
                隊も不要だから軍事関連企業(突出してるのはアメリカだけど)は、常になんらかの敵対関
                係緊張関係を生み出すことに知恵を絞る。日本でも同様で、自衛隊を配備したりしてるけど
                この費用はいくらかかるのか。もし、ミサイルだとしても果たして迎撃できる装備なのか。
                裏で操っているのは誰なのか。右傾化が顕著な日本は、政府もメディアも紛争という名の戦
                争に近づきたがっているとしか思えない。
                 新婚旅行で買った火鉢は、落ち着き場所を求めてさまよい続けていたけど、ようやく安住
                の地が決まったようで、まずはおめでたい。それは木製50センチの円形。自宅に置いていた
                時期もあったけど炭を使う機会は少なく、しかもかなり場所をとる。最近は地下の事務所に
                長逗留していただいてたけど、ライブのためにベンチを設置し、座面が高くなり視点が高く
                なりを受けて火鉢も持ち上げることになった。ま、言ってみれば洋風囲炉裏のようなもの。
                 手持ちの材料で作ったのはこんなモノ。上下の丸板は24ミリ厚のシナベニヤ、三本脚は
                頂き物の白木。たっぷりな材料なので出来上がりもタップリどっしり。薄くて軽い礼賛の昨
                今にあってこのでっぷり感はなかなかいい。
                 ひっくり返すと裏には6個のキャスター。床にはホットカーペットが敷いてるので重さを
                分散させなければならないから、です。キャスターは今後、もっと増やすかもしれないけど
                とりあえずはこれでゆく。
                 上に火鉢を乗せれば一丁上がり。あとは、脚を塗装すれば万事OK
                 それは近くの燃料店に行ったとき。一階の店で使うオイルストーブの灯油を買いに行ったん
                だけど、ついでに炭も買ったわけ。昔は薪や練炭や炭を売る店があったもんだ。駅前にも
                あって雪の日に「雪だるまの目あります」の張り紙。炭団(たどん)を売ってるの。黒くて
                丸いから雪ダルマの目玉にどうぞ。30年以上も前のことだけどカンドーしたなァ。素晴らし
                いユーモアのセンスにね。老齢のご夫婦が営んでいたけど、私は大好きでした。今もって忘
                れられない、私の人生の中屈指の出来事。
                 でも今じゃそんな店ないでしょ。でも、ちょっとだけ遠くにあるんですよ。炭を売ってる
                店が。「炭もください」といって、お金を払う段になって店主が「炭を買っていただくだけ
                でうれしいんです」の一言。友人からは「まだ、そんな店やってるの?」などと言われ続け
                ているらしく、しかも炭を買う一般客なんかそうそういるはずもないから内心なんだかな〜
                の気持ちもある。実に良く理解出来ます、その気持ち。だからね、せいぜい炭を使おうと
                思って火鉢の台も作った。そういうこともあって。ウチの炭はわざわざ焼かせているんで
                す。そこらへんにあるものじゃない。店主の自慢話も心地いい。津波の被災地近く岩手県だ
                し。ほんのちょっぴり震災復興の手助けもできるし。
                 しかし、すでに日常的に炭を使わなくなって久しいから、炭火を起こすテクニックの劣化
                ははなはだしい。新聞紙+薪だけじゃなかなか炭は着火しない。そこで消し炭の登場と相成
                る。薪の燃え殻みたいな燃えかすみたいな消し炭。火持はしないけどすぐに着火するから炭
                を起こす手助けをしてくれます。お風呂を沸かすのに新聞紙を燃やし、薪を加えて、薪の燃
                え殻を保存しておいて炭の着火に使う。考えてみればなんともすばらしいリサイクルであっ
                た。今はそんなもん出来る環境がないからガスコンロで炭を起こす。毎日炭火を使うんな
                ら、寝る前に灰をてんこ盛りにしておいて、朝まで炭火を保存。翌朝残っている炭火に新し
                く足せば炭を起こす手間は省けるけど、そう毎日は使わないから,循環は途切れガスコン
                ロ。なんだかな〜と思わないわけじゃないけど、これも致し方なきこと。
                 火鉢は暖房器具ではあるけど、灰をいじれるのもいいんだ。人と話しながらなんとはなし
                に灰をならしていると手持ち無沙汰にはならないし気が安まる。慌ただしい日々の中にあっ
                てちょっとだけノンビリ感が味わえます。以前、来た友人もそんなこと言ってたっけ。
                 炭火の暖かさはほんのり。天井に大穴が開いてる地下ではほとんど暖房感はないけど、火
                がはぜる音というオマケ付きだから充分満足。また、せっかく熱源があるんなら、もっと活
                用したいってのが人情です。湯を沸かすのもいいけど、コーヒーの保温もなんとかならない
                かしら。餅網もいいけど目が粗くってカップが安定しないし、直火だからカップが熱くなり
                すぎる。で、ササッと作ったのがこれ
                 アルミのパンチングメタルを丸く加工。けっこうな厚さがあるから放熱効果があって熱は
                あまり伝わらない。見た目はちょっと変だけど、な〜に慣れればどうってことない。
                 カップを乗せてみたら今のところは適度の保温でしてやったり。ただし、五徳の三本脚の
                上を外すとえらいことになりますよ、これは。たっぷりのコーヒーが灰の中にぶちまけられ
                ますからね。舞い上がったモウモウの灰、炭火は一気に消火され、後片付けだって大変さ。
                一人で使ってるぶんにゃそんな心配もあまりない(いつか事故るかもしれないから)し、何
                よりも活用感がたまりません。
                さて、いよいよベンチのテーブルを・・・・・・・・・の、店主でした。

                法悦のライブ準備方

                0
                    12月22日刻々と迫る処女ライブ。演奏はしないけど、地下空間のすべては私の責任とい
                  うことでここんとこ準備に没頭しまくり。何事によらず初めてというのは先が読めない不安
                  と緊張感が横溢するもんです。それは老境に差し掛かった店主でも同じことだけど、それを
                  楽しめることもこの歳ならではのことでして。
                   しかも、今回は大阪からN氏が演奏参加されることになり、緊張は倍加し力の入れ具合も
                  並々ならぬものがね、あるワケです。玉野井徹とN氏の共演は一度しか聴いた事はないけど、
                  それが素晴らしくっていずれは東京にお呼びしたいと思っていたことが、急に実現すること
                  になっちゃって。とってもとってもうれしいけど喜んでばかりはいられない。演奏に負けな
                  いような空間を作らなくちゃ恥ずかしい。
                   狭いからごく少人数しか入れないけど、狭いからこそマイクなしの完全アコースティック
                  演奏が目の前で鑑賞出来るという利点がある。一人でも充分なのにギターのデュエットが
                  楽しめるとあっちゃ、迎え入れるこちらだってそれに見合った内容にせねばFACTIOの名が
                  スタルってもんです。
                   ベンチは完成し、床暖房も整い、数日前からいよいよ最後のテーブルを作り始めました。
                  床暖房は徹夜を想定して仮眠出来るようにしたかったから。サイズ違いを2枚敷いたので足
                  元ホカホカ、どこでも寝れます。演奏を楽しみ、お食事を楽しみ、持ち込みのお酒を楽し
                  み・・・・・・・となると終電時間なんかあっという間に訪れる。そんな帰れない方々は雑
                  魚寝で泊まっていただきましょうって案配。これだけ用意すれば満足していただけるだろう
                  て。
                   テーブルの板は二転三転した後、保管してあったブナ材の積層板を思い出して一気に進
                  展。それがコレ
                   一見ふつうのベニヤ板じゃん? さにあらず、この板は表面も中身もすべてブナ材でね。
                  昔むかし学校の材料倉庫にあったものを譲っていただいたものをズ〜ッと持っていたの。途
                  中、地下への階段にも使ったりしたけど。作り直してからは、何かに使おうと大切保存。あ
                  る時、何かでこの材料を使いたいと思って2〜3の材木屋さんに聞いたら、そんな材料聞い
                  た事がないって言われちまいました。どうやら、この板は入手が極めて困難なようです。
                  ようやく終焉の場所が決まって板も喜んどりましょうて。
                   巾が足りないから左右に継ぎ足さなくてはならない。で、こんなふうに端面を加工して
                   間にビスケットと呼ばれる木片を差し込み
                   このようにして金具で締め上げます。もちろん、ボンド参加は言うまでもない
                   テーブル上は大体こんなイメージなんだけど問題は白皿と木皿の据え付け。テーブルが狭
                  いから何かの拍子で皿が落ちたりしないような工夫が必要ですもんね。どちらの皿もテーブ
                  ル面に凹みをつけて落とし込みます。
                   白皿はこのようになる。凹みの直径と深さは試しためしでないとちょうど良い寸法が出て
                  来ない。5回ほど試して、ズレない深さが実現できましたわい。皿の底面は曲面なので深さ
                  が微妙なんです。完璧とは言えないかもしれないけど、まずまずこんなもんでしょう。
                   左右2箇所の凹み。ということでこれは二人用。左の凹みに色がついてるけどオイルを試
                  してみたから。塗装しようかとも思ったんだけど、ブナ材であることを自慢したくってオイ
                  ル仕上げに。
                   ハイ! これが凹みのほぼ最終形。どーです、表面と凹みの底の木目が同じでしょ。表面
                  だけに天然の木をスライスした薄板(突き板)を張ってあり芯になる中身は別材が普通。で
                  もこれは違うダンゼン違いまっせ。そう考えると、こうして掘るというのはこの材料の最良
                  の使い方ってことになります。普通の突き板ベニヤでは逆立ちしたって出来ない加工ですか
                  ら。素晴らしいライブにはすばらしい材料で、なんとスンバラシイ考え方ではあ〜りません
                  か! ウケに入ってるのは私だけでしょうか。いや、そうではあるまい。でも、そうかな。
                  いやそうではないだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
                   観る人が見たら「この板はなに?」と聞くでしょうな。興味がない人にとっちゃなんでも
                  ない板だけど。そうはゆかないイカのキンタ◯。
                   そしてもう一方の木皿です。テーブルが小さいから木皿は前に出っ張ってしまいます。
                  なんにもしないとすぐに引っ掛けて床に落ちる。それを防がにゃなりませぬ。出来るだけ取
                  り皿に近づけたい、でも取り皿とぶつかっちゃいけない。木皿の厚さは1センチ、テーブル
                  に6ミリ埋め込みますから差し引き4ミリ上に出る。取り皿の下面との接触を避けつつ、
                   ほぼギリギリの位置が決まりました。無理すりゃもっと皿に近づけるけど、近づいたとし
                  てもあと数ミリですからね。さほどの違いがあるわけでなし。
                   そして凹状彫り込みも完了ゥ〜。なんせ、この希少板はこれっきりなので、加工には慎重
                  になります。加工し始めてから間違いに気が付きたくはない。けど、いつかは加工を始めな
                  くては間に合わない。型を作り一服、試し加工で一服、さらに一服してから本番加工。とに
                  かくタバコとコーヒーが欠かせません。
                   それにしてもこれだけの広さの凹みを掘るなんてことは初体験ですから。やり始めてこれ
                  ではマズイことに気が付き申した。トリマーという電動機械で掘るんだけど掘り進めるうち
                  に機械が乗る場所がなくなっちまう。海辺の砂で高台を作って乗るのはよかれども、波に洗
                  われて足元の砂が削り取られ、立ってる場所がなくなってくる。そんな感じです。やったこ
                  とない人にはワカランだろうけど。つまりちょっとだけ苦労したことを言いたいワケだ。
                   問題の木皿落下防止案は「蟻」、ほれこの通り
                   ちょっと見じゃわからないかしら。テーブルと木皿の組み合わせ部分が斜めになる。これ
                  が「蟻」といわれる組み合わせ。引き出すと前方に出るけど、このままの状態なら絶対に木
                  皿とテーブルは離れません。間口が広くて奥行きが狭いので引き出すのがちょいとムズカシ
                  イ。間に木鑞(ロウ)を塗りますればまあまあ滑りは良くなって差し支えない程度になりや
                  した。
                   
                   モチのロン、両方もけっこうな薄さだから板が反ったり曲がったりしないことが条件で
                  すゥ。一方はベニヤだから多分問題ない、もう片方もめっぽう曲がる事のない材料であるこ
                  とは実証済みですから。まずもって大丈夫でしょう。
                   そして第一作が出来上がり〜。グラス&コーヒーカップは結局凹みではなくふつうにテー
                  ブルに置く事に。一作が出来ればあとは同じことの繰り返しですから考える事も少なく不安
                  もない。時間はかかるけど仕事的には終わったも同然。なので、一服しながら記事を書き始
                  めた次第。
                   テーブル面が出来上がり、後は脚部分。これは、ドイツの金具を使うんだけど今日本に向
                  かっている最中で来週に届きます。あとはベンチに敷くマットも注文したし、カバー用の布
                  も買ったし。だんだん残っている仕事がなくなり、だんだん完成に近づきます。そりゃ、当
                  たり前!
                   この地下室が脱皮に脱皮を重ねた結果このような使い方をするなんて考えてもしなかっ
                  た。無数の積み重ねが収斂されて今の空間になった。改めて人との出会いに感謝、環境に感
                  謝、とりまくすべてに感謝のひとときです。
                  柄にもなく感謝の涙にくれる・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


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